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【税理士が解説】賃上げ促進税制のメリット・デメリット

政府は近年、経済全体の好循環を生み出すために「賃上げ」を強く後押ししています。

その代表的な施策のひとつが「賃上げ促進税制」です。

この制度を活用することで、一定の条件を満たした場合に法人税や所得税の軽減を受けられます。

本記事では、賃上げ促進税制の概要や、実際に活用するうえでのメリット・デメリットについて解説します。

賃上げ促進税制の概要

以下、賃上げ促進税制の概要について解説していきます。

制度の目的

賃上げ促進税制は、企業が従業員の給与を引き上げた場合、その金額に応じて法人税などから税額控除を受けられる制度です。

主な適用条件

中小企業の場合、前年度と比べて一定割合以上の賃上げ(最低1.5%以上)を行うと、給与増加額の15%〜最大45%が法人税から控除されます。

教育訓練費を増加させた場合や、一定の認定(くるみん認定など)を取得した場合には、控除率が上乗せされる仕組みです。

なお、控除額は法人税額又は所得税額の20%が上限となります。

また、20244月以降は、控除しきれなかった金額について、翌年度以降に5年間繰り越しが可能になりました。

賃上げ促進税制のメリット

本制度の主なメリットは以下のとおりです。

税負担の軽減

制度を活用すれば、法人税額の大幅な軽減が期待できます。

たとえば、給与支給総額が年間で1,000万円増加した場合、最大で450万円の税額控除を受けられる可能性があります。

従業員のモチベーション向上

制度を利用して給与を引き上げることで、従業員の定着率や生産性の向上につながる可能性があります。

結果的に、企業全体の活力向上などに寄与する可能性があります。

賃上げ促進税制のデメリット

一方で、以下のようなデメリットもあります。

業績が悪化した場合に不利になる可能性

賃上げを行った翌期以降に業績が悪化した場合、人件費が固定費として重くのしかかる可能性があります。

制度を活用するには、将来的な収支見通しも踏まえた慎重な判断が必要です。

計算や証明の事務負担がある

頻繁に制度が改正されるため、その都度要件を確認した上で、控除率の算出や添付書類の作成が必要となります。

特に、給与総額の比較、教育訓練費の集計など、実務上の煩雑さがネックとなることがあります。

まとめ

賃上げ促進税制は、従業員への還元を行いつつ、法人税負担の軽減を図れる有効な制度です。

ただし、制度活用には要件確認や資料作成など、一定の手間がかかることも事実です。

制度の詳細や適用可否について不安がある場合は、お気軽に当事務所までご連絡ください。

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本澤 智
代表税理士本澤 智

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資格

  • 税理士

所属団体

  • 関東信越税理士会

経歴

埼玉県白岡市出身
2009年 明治学院大学卒業
2009年 ㈱埼玉りそな銀行入行
2014年 中央税務会計事務所入所
2020年 税理士登録
2020年 本澤税理士事務所 開所

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